2015/10/18

#JPOUG> SET EVENTS 20151017 に行ってきました

Japan Oracle User Group (JPOUG) 主催の JPOUG> SET EVENTS 20151017 に参加しましたのでその雑感を。

当日の様子は Togetter にまとめられています。

以下のセッションを聴講しました。

  • 障害とオペミスに備える! Oracle Databaseのバックアップを考えよう
  • 私はここでつまづいた! Oracle Database 11g から 12cへのアップグレードとOracle Database 12cの新機能
  • Oracle Database Cloudを使ってみよう
  • LT
    • 緊急サポート24時
    • パフォーマンスタブ見れないんですけど!!
    • Oracle Database Standard EditionでセミオンラインDDL
    • 意外と簡単“じゃなかった”Oracle Enterprise Manager 12cによる統合DB環境のCPU監視
    • 新人SE女子がつまづいた Oracle Database 5つのこと
  • DBエンジニアのスキルの現実と伸ばし方

障害とオペミスに備える! Oracle Databaseのバックアップを考えよう

Oracle Database におけるいくつかのバックアップの取得方法(DataPump、ユーザー管理バックアップ、Recovery Manager(RMAN))のメリットとデメリット。それと RMAN を用いたリストアのデモ。

ちょうど最近バックアップ方式について検討することがあったので参考になりました。インカネーションのことはすっかり忘れていました。デモでは SQL*Plus で時間ベースの不完全リカバリを実施していました。リストア、リカバリはあまり実行したことがないので、マニュアルや各種資料を確認して有事でも落ち着いて対処できるよう練習しておくことが必要だなと強く感じました。

私はここでつまづいた! Oracle Database 11g から 12cへのアップグレードとOracle Database 12cの新機能

Exadata 11.2 環境から 12.1 へのアップグレード案件での作業と注意点について。つまづきポイントやその対応が非常に参考になりました。初期化パラメータや Noteなど参考にしたい情報が非常にたくさん盛り込まれている資料が公開されることを楽しみにしています。

覚えている範囲で気になった点をいくつか。

  • Storage Server を 12.1 にアップグレードすると、Database Server の Oracle Linux のバージョンは 5.9 から 6.6 に
  • (クラスタ環境向けに?)OPatch を自動で適用する OPatchauto と言うのがあるが、怖いから使わなかった
  • DBUA の仕様で、アップグレード後に隠しパラメータや local_listener, listener_networks が変更される
  • VIP リソース名の変更
    • 変更前: ora.<VIPリソース名>.vip
    • 変更後: ora.<ノード名>_謎番号.vip
  • SCAN VIP の項目番号が 0 オリジンに
  • crsctl ではなく srvctl で行うようになったコマンドが増えた(vipの起動・停止)
  • ILOM の画面がかっこよくなった
  • サービス定義の自動起動設定によって、mount状態の PDB が CDB 再起動後にオープンしていた
  • LREG による接続の認識は即時だが切断の認識は即時ではないので、大量接続試験時に PROCESSES 上限に達したので余裕を持った値にするように(Note 1733296.1)
  • GRID_HOME を統合監査することは現時点ではいろいろと難しいので OS の rsyslog で管理

Exadata には関わったことがありませんが、アップグレードの考え方そのものは通常の RAC 構成の場合とそれほど変わりないものだなと分かりました(当然でしょうが)あと 12c の Flex ASM は便利そうだなと思いました。(一度変更すると戻すことはできないと非常に強調されていたもの気になる)現場で 12c を使う事はまだしばらく無いと思いますが、各種資料や積ん読の黒本とあわせて理解を深めておきたいところです。

Oracle Database Cloudを使ってみよう

登場して間もない Oracle Database Cloud についてデモを交えて紹介。さすがに会場内でも使用されている方はほとんどいなかったようです。

後日資料が公開されるとのことですので、覚えている点のメモ

  • マネージドサービスはまだ未提供だがそろそろ
  • Database Cloud 自身のコンポーネントや新規作成する DB の PSU は 2週間毎にアップグレードされる
  • PSU は累積形式なので、過去に作成した DB とバージョンを揃えたければロールバック(して過去と同じバージョンの PSU を適用)できる
  • ダッシュボードの日本語は、まだ直訳っぽいところがある
    • Extreme Performance: 過剰なパフォーマンス (RAC + In-Memory + Active Data Guard)
  • リスナーを管理する画面は直球(大きなスタートボタン、ストップボタン、lsnrctl status の出力)
  • ASM はまだ提供されていないのでデータベースのストレージはファイルシステム
  • ディスクの割り当ては LVM ベース。追加ごとに /u04 /u05 /u06 ...
  • (Oracle VM の)Trusted Partition 機能を使っているので CPU のオーバープロビジョニングはない。ベアメタルと同じような性能
  • いまならパブリックな IP アドレスが豊富に割り出される
  • root 権限、SYSDBA 権限が使用できるので、JP1 エージェントなど、何でも入れようと思えば入れられる
  • 各種スクリプトは /var/opt/oracle 以下にあるので参考に
試しにアカウントを作成してみたところ、まだ承認フェーズで使用可能にはなりませんでした。クラウドサービスは使ったことがないので、アクティブ化が完了したらトライアル期間が終わらないうちにいろいろ遊んでみようかと思います。 話の内容とは関係ないですが、PSU の新しい提供形式というあたりが理解できなかったのでので、各種資料でパッチについて復習しておこうと思います。

LT: 緊急サポート24時

サポート業務にて問合せの多い事例をコンパクトに面白おかしく紹介。

  • 自動診断リポジトリ(ADR)削除ポリシー外のリスナーログ肥大化(>4GB)
  • ユーザー管理バックアップの END BACKUP 忘れでインスタンスが起動しない
  • アーカイブログ出力先のディスクフル
  • ディスクフルなのでログと名の付くファイルを消した(REDOログ、アーカイブREDOログ、フラッシュバックログ etc)

私の知らない TDE がとてもとてもツボにはまりました。

  • T つながりません
  • D ダウンしました
  • E エラーがでました
余所様の苦労話ではありますが、DB の専任者や構築時の設計とその情報を共有していれば未然に防げるトラブルは多いものだなと思いました。構築や運用を担当する身としてはそうならないようにしたいところです。

LT: パフォーマンスタブ見れないんですけど!!

とても COOL な Enterprise Manager が諸事情で使えない場合の、性能監視の代替として Fluentd + Growthforecast を紹介。調査すると Zabbix のプラグインもあることが分かったそうです。

Oracle の勉強会で Fluentd の名が出るとは思いませんでした。ちょうど現場でも性能監視と各種メトリクスの可視化を何とかしたいなと思っていた自分にはピッタリの話題でした。

Fluentd も GrowthForecast もどのようなものかは認識していましたが、聞いただけでまったく手を動かして来ませんでしたので、先日参加したログ分析勉強会でも Fluentd がたくさんでてきましたので、いよいよ本腰入れて使ってみないとなと思いました。

LT: Oracle Database Standard EditionでセミオンラインDDL

Enterprise Edition が使用できない環境で MySQL における pt-online-schema-change のような仕組みを行うツールの紹介。作成中のツールが完成したら github で公開されるかも?

LT: 意外と簡単“じゃなかった”Oracle Enterprise Manager 12cによる統合DB環境のCPU監視

複数 DB が稼働する統合 DB 環境における EM の インスタンスごとの CPU 使用率監視について。実際に掛けた負荷と表示されるグラフが異なるので、共有プールをフラッシュして EM のメトリクス収集を手動実行し v$sql から該当クエリを確認したところ、その期間における平均値だったとのこと。

Zabbix や Nagios で参照できるメトリクスも期間を空けるほどデータが均らされてしまいますよね。自分で詳しくデータを取得したいのであれば V$SYSMETRIC_HISTORY などを参照しましょうとのことでした。

LT: 新人SE女子がつまづいた Oracle Database 5つのこと

新人時代にハマったこと。あるある〜かも?と思いながら聞いていました。

覚えていたところだけ。DataPump Import の REMAP_SCHEMA はよく使いますが、それとテーブル単位では指定したことがなかったので覚えておこうと思いました。audit ログを OS ファイルに出すようにした場合は i ノードの枯渇に注意します。

DBエンジニアのスキルの現実と伸ばし方

3年ほど前の JPOUG のイベントでのパネルディスカッションと同じような形式で、小田さんが司会となり林さん、会場の皆さんと共にディスカッション。

いろいろな話が出ましたが覚えているところだけ。
  • DBA のスキル傾向は、オペレーション、バックアップ、リカバリが得意だがセキュリティ、インフラ周りが苦手
  • 単なるインフラ屋、単なる DBA、単なるオペレータの仕事は減ってゆく
  • コミュニケーションとドキュメンテーションとインフラスキルが大事
  • 「SQLチューニングをする際、ER 図みると速い」
  • 「ER 図に触れる機会が少ない DBA でもデータディクショナリからモデリングを学ぶことも出来る」
  • 「自分で環境を作ってみると、中の仕組みが分かる。それを自分で壊して、自分で直してみることも大事」
  • 「見える化はコンサルの極意のひとつ」
  • 「初心者に大事なのは何かを極めること」
  • 「現場に出る機会が少なくなっても、レビューをこなすことでスキルを伸ばせる」
あるひとつのスキル形成の例として、調べたことをこつこつとブログにまとめていて、検索するとよく見かけるピンクの豚さんこと @yoheia さんにマイクが。ネットにはいろいろ情報があるが、書籍のほうがまとまった情報があり、調べた内容をブログなどに書くと、詳しい人から指摘があり勉強になるとのこと。

この話を聞いて以下の記事を思い出しました。この記事に限らずなぜ?なぜ?の検証の過程がまとめられていていつも参考になります。

セッション後半で会場に投影されている画面が Solstice というコラボレーションソフトを使っているとの発表されましたが、懇親会で林さんのお話を聞いたところ iPhone から専用アプリではなく AirPlay で表示しようとしたところが最初のほうで上手くいかなかったそうです。

おわりに

運用の皆様、スピーカーの皆様ありがとうございました。いろいろなお話を聞けて非常に刺激を受けました。次回もぜひ参加させていただきたいと思います。

どうしても運用系を指向してしまうので今回は力セッションが聞けず残念でした。ブログ記事や公開資料を参考にしたいと思います。

そういえばもうアドベントカレンダーを意識する季節になりました。大したネタではないですが宣言駆動執筆ということで今年も参加させて頂きます。今年こそ早め早めに仕上げておこうかなと思います。

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